『水芭蕉が咲いている尾瀬に行きたい!』
ひとくちに尾瀬ハイキングといっても、「尾瀬」は福島県、栃木県、群馬県、新潟県にまたがるとても広い国立公園です。初心者でも歩ける定番コースから日本百名山の「至仏山(しぶつさん)」「燧ヶ岳(ひうちがたけ)」に登るコースまで、経験・体力・目的によってさまざまです。
今回が初めての尾瀬、選んだのはほぼ整備された木道を歩くハイキング初級レベル定番の『鳩待峠~山ノ鼻~尾瀬ヶ原周辺』のコース。安心して往復・散策できるようにガイド付き日帰りバスツアーを申し込みました。
初めて尾瀬に行くのに「どんな服装や装備品を用意すればいいか」はとても悩むところ。高価な一流品ばかりで揃えれば間違いないかもしれませんが、初めての趣味にそこまでお金をかけられません。
ここでは初めて尾瀬に行った私が着た服装や装備品を紹介し、使ってみてどうだったかの検証もしています。*あくまでも整備されたコースを歩く、初級ハイキングでの装備です。
この尾瀬ハイキング当日の様子はこちらです。⇒『【水芭蕉の季節】初めての尾瀬はガイド付き日帰りバスツアーで』
【6月上旬・気温22℃】曇り空での尾瀬ハイキングの服装
出発時は雨が降っていましたが、尾瀬では終始曇り空。
写真のように、帽子・半袖Tシャツ・長袖Tシャツ・ストレッチパンツ・レインウェア(上着だけ)を着てハイキングを楽しみました。
晴れていなくても帽子は必需品
尾瀬ヶ原は太陽を遮るものが何もないので帽子は必須。曇りでも紫外線が強いので要注意です。小雨なら雨よけに、転んだ時の怪我防止にもなります。
尾瀬の湿地帯は物を落としても取りに行けないので(そもそも物を落としてはいけない)、風で帽子が飛ばされないようにひも付きがおすすめです。
今回は新たに購入するまでもなく、いつも使っている帽子にゴムを縫い付けました。
防水透湿素材のレインウェア
尾瀬に行くには雨具は必須。なぜなら尾瀬の天気は変わりやすいからです。
レインウェアは上下で分かれたセパレート型で、特に重要なのが防水性と透湿性。
- 防水性
防水性とは、外から水が入り込まないようする性能のこと。
レインウェアの防水性能は『耐水圧』の数値が基準。耐水圧とは水濡れに対する生地の性能を表す数値で、生地の上に1cm四方の筒を立てて中に水を入れ、生地の裏から漏れることなく筒の中に入った水位で表します。数値が大きいほど防水性が高いということです。
一般的なレインウェアは大雨に耐えられる耐水圧10,000mmです。 - 透湿性
透湿性とは、内側から外側へ水蒸気を出す性能のことです。
透湿性の度合いは、1日あたりに生地が透過できる水分量で表されます。
軽い運動をする場合、500g/1時間の発汗量があるので、一日に換算すると12,000g。この数値からハイキング時に蒸れたくないなら、レインウェアの透湿性は12,000g以上欲しいところです。
この2点に加えて、運動用としてのレインウェアは着ている服装の上に重ねて着るので伸縮性とサイズ感も重要です。いつもと同じサイズではきついということもあるので要注意(特にレインウェアパンツ)。
今回用意したのは耐水圧30,000㎜で透湿性15,000g、伸縮性素材のレインウェア上下。
152㎝47㎏の体形の私にはMサイズだと少し大きめ。上着は防寒着の上に着るとちょうどよいサイズで許容範囲ですが、ズボン丈は少し長いので、裾を折り返して縫い、ゴムを入れました。
体型に合う軽量リュックサック
日帰りハイキングのリュックサックは容量20リットル前後が目安とのこと。
用意したリュックサックは容量23リットルで軽量(355g)。肩ひもが太く、チェストベルト・ウェストベルトがついているもの。
開き口が広く、ポケットもあるので収納や出し入れに便利です。
そして雨用の防水リュックカバーも準備します。縦長でスリムなリュックなのでなかなかぴったりあうサイズがなく、少し大きめのカバーになりました。
このリュックサックは縦長スリム型なので、うまく荷物を詰め込めるか、本当に背負いやすいか、少し不安でした。でも実際に荷物を入れてみるとちょうど良い大きさで、背中にフィットして背負いやすく疲れませんでした。
履きなれたハイキングシューズ
ハイキングをするときに一番重要といってもいいのが靴選び。
用意したのは、透湿防水機能搭載(静止状態で約4.0cm×約4時間防水仕様)のローカットのハイキングシューズ。
昨年『八甲田ゴードライン』と『白神山地世界遺産の径ブナ林散策道』をハイキングするために購入した靴です。店頭で試してみて履きやすく、躊躇なく購入できる価格(5,000円以下)でした。
実際に鳩待峠から山の鼻ビジターセンターまで、雨でぬれていた石畳の階段や木道も問題なく歩くことができました。ただ、木道には滑り止めの工夫がされていたり、滑らないように十分に注意を払って歩いたうえでのことです。
山の鼻ビジターセンターから尾瀬ヶ原(牛首分岐)までは平らな木道なので、安心して歩くことができました。
汗をかいても快適な速乾性のシャツとパンツ
ツアー会社から服装についての注意点は主に次の3点。
- 速乾性のある化学繊維素材のものが最適、綿素材は適さない(濡れたあと乾きにくい)とのこと。
- 朝晩は平地より冷え込むため脱ぎ着ができるように重ね着をすること。フリースやセーターなどの防寒着も必須。
- ズボンは動きやすいように伸縮性・ゆとりがあるものがおすすめとのこと。
ハイキング当日は曇り、気温17~22度、湿度70%前後の予報。
レインウェア(上着)の中には、速乾性半袖Tシャツ・ハーフジップ長袖Tシャツ、速乾性ストレッチパンツを着ました。
ストレッチパンツはスポーツ店のオリジナルで約5000円、ハーフジップ長袖Tシャツは有名メイカー品をリサイクルショップで、半袖Tシャツや靴下は持っていたもので、揃えました。
尾瀬ヶ原散策時にはレインウェアを脱いでちょうどいい暑さになりましたが、ほぼすべての行程でこれらのウェア+レインウェア(上着)で完歩しました。
リュックに入れて使ったもの
- 行動食・非常食
- タオル・ティッシュ・ごみ袋・100円玉硬貨
行動食・非常食は好きなものを選ぼう
ハイキング中に手軽に水分補給、栄養補給できる行動食や、万が一のための非常食は必須です。
今回は、水分補給にペットボトル麦茶500㎖を2本、栄養補給にゼリー飲料、非常食に高カロリーの飴を用意しました。
出発が早朝だったので、朝食用に完全栄養食パンも持参してバスの中で食べました。
リュックサックのサイドポケットにペットボトルを入れておき、ハイキング中はこまめに水分補給。500㎖2本で間に合いました。
折り返し地点ではゼリー飲料で栄養補給。季節的に常温でも美味しくおすすめです。
非常食には高カロリーのチョコレートが一般的ですが、溶けそうだったのでやめておきました。
100円玉硬貨・タオル・ごみ袋は忘れずに
尾瀬のトイレはチップ制(100円)なので、100円玉硬貨が数枚必要。パンツのポケットに入れておくとすぐに出せて便利です。
タオルは首にかけられるようなマフラー型(汗拭き用・日焼け防止)やハンドタオルなどを数枚。
ごみは持ち帰るのが基本なのでごみ袋は必須。ビニール袋にすれば濡れたものも入れられます。
バンドエイドなどの救急セット・常備薬・保険証(幸い今回は使用せずにすみました。)、季節的に日焼け止めやリップクリームも忘れずに。
リュック入れたけれど出番がなかったもの
- レインウェアパンツ
- 薄手のウィンドブレーカー
- 手袋
- ヘッドランプ
- 着替え
上下セパレート型のレインウェアパンツ
幸い天気は曇りだったので、レインウェアのパンツは収納袋に入れてリュックの中に。
出発時に使用した折りたたみ傘はツアーバスの中に置いていくことができたので、持ち歩かなくても大丈夫でした。
今回レインウェアパンツは出番はありませんでした。
撥水加工の薄手ウィンドブレーカー
撥水加工の薄手ウィンドブレーカー。(UNIQLO)
レインウェアは必要ないけれど風よけの上着が欲しいときに重宝します。
軽量でコンパクトにたためるので旅行するときに便利です。
少し暑くなったときに、レインウェア(上着)を脱いで薄手ウィンドブレーカーを着ようかと悩みましたが、結局出番はありませんでした。
けが防止のための手ぶくろ
当初は軍手で代用しようと考えていましたが、今回はかなりの確率で雨の予報になり、急遽濡れてもよい手袋を探しました。防寒用ではなく転んだ時のけが防止目的で購入したので、スマホ操作のしやすいものを100均ショップで見つけて購入しました。手のひら側には滑り止めがついています。
手袋も出番はありませんでした。
ヘッドランプを100均で購入
ヘッドランプも100均ショップで見つけて2種類購入。どちらも単4乾電池3本必要。使用目安時間は9時間です。
購入後に問題点が2つ判明。
①乾電池を入れるには小さいプラスドライバーが必要で、電池交換が面倒なこと。
②非防水だったこと。
今回は「日帰りで日中約4時間のガイド付き初級コース、ヘッドランプは念のための装備」ということでこのヘッドランプを持参しましたが、改めて防水で電池の入れ替えしやすいものを購入しておこうと思います。(ヘッドランプは防災用としても準備したい装備です。)
雨で濡れたときの着替え
前日まではかなりの確率で雨予報だったので、帰りの着替えを一式(上半身+靴下)用意しました。
濡れないようにジップロックの袋に入れて圧縮します。
ありがたいことに雨に濡れることはなく、着替える必要はありませんでした。